2021年 05月 09日
いうれい と 給水塔 |
2021年5月9日
朝、久しぶりにNHK俳句を見ました。
鴇田智哉さんが選者になっておられてビックリ。
なんとなく中央寄りの人でないと思っていたからです。
いうれいは給水塔をみて育つ
この部屋が金魚となり部屋は雨
つきゆびは歌をとどめなく辿る
火の紙にくひ込んでゐる麦の秋
咳の来る前のまばゆい海の色
鴇田智哉氏(1969年千葉県木更津出身)の近刊「エレメンツ」より
例えば冒頭の句、
いうれい(幽霊)が町の所々にある給水塔を眺めながら成長するというのです。
給水塔、、、ビルの屋上に配水のために据えられた球体や立方体、独立した高い塔など、、。
にわかに自分の中に平凡に存在していた「給水塔」が意味を持って急浮上してきます。
中高層ビルの屋上、球体の中の暗闇に漆黒の水はゆらゆらと揺れているのでしょうか。
その球体が正面に見える小高い山で、幽霊の母は人知れず子を育てている、、、。
水を恋う子の、密かに人に憧れる子の、幽霊らしからぬ見開かれたつぶらな目を想像して、以外にも切ない気持ちになります。
こちらの穏やかな日常にポンと小石を投げられるような、「うん?」という疑問符が小気味良い作品です。
鴇田氏の句は「ウマイなぁ」と感嘆させられる句、「うん?」では済まない難解な句、「それはあざとい」と苦る句と様々ですが、いずれも「日常に小石」なのはまちがいありません。
以前はどこにでも見かけた給水塔。
今は一旦屋上に水瓶を設置せずとも高層の家庭に直送できるシステムが採用される場合が多いそうです。
給水塔は昭和の申し子、探さねばならない代物となりました。
ということは幽霊の子育ては受難!?
朝、久しぶりにNHK俳句を見ました。
鴇田智哉さんが選者になっておられてビックリ。
なんとなく中央寄りの人でないと思っていたからです。
いうれいは給水塔をみて育つ
この部屋が金魚となり部屋は雨
つきゆびは歌をとどめなく辿る
火の紙にくひ込んでゐる麦の秋
咳の来る前のまばゆい海の色
鴇田智哉氏(1969年千葉県木更津出身)の近刊「エレメンツ」より
例えば冒頭の句、
いうれい(幽霊)が町の所々にある給水塔を眺めながら成長するというのです。
給水塔、、、ビルの屋上に配水のために据えられた球体や立方体、独立した高い塔など、、。
にわかに自分の中に平凡に存在していた「給水塔」が意味を持って急浮上してきます。
中高層ビルの屋上、球体の中の暗闇に漆黒の水はゆらゆらと揺れているのでしょうか。
その球体が正面に見える小高い山で、幽霊の母は人知れず子を育てている、、、。
水を恋う子の、密かに人に憧れる子の、幽霊らしからぬ見開かれたつぶらな目を想像して、以外にも切ない気持ちになります。
こちらの穏やかな日常にポンと小石を投げられるような、「うん?」という疑問符が小気味良い作品です。
鴇田氏の句は「ウマイなぁ」と感嘆させられる句、「うん?」では済まない難解な句、「それはあざとい」と苦る句と様々ですが、いずれも「日常に小石」なのはまちがいありません。
以前はどこにでも見かけた給水塔。
今は一旦屋上に水瓶を設置せずとも高層の家庭に直送できるシステムが採用される場合が多いそうです。
給水塔は昭和の申し子、探さねばならない代物となりました。
ということは幽霊の子育ては受難!?
by yamaniwakotori
| 2021-05-09 21:27
| 俳句
|
Comments(2)
鴇田智哉氏。もうすぐ51歳になられ、私と20歳も離れています。初めて知りました。
句界も広いんですね。
鴇田氏の句には生き物や植物を歌った句が多いですね。
検索していたら、こんなのがありました。
紫陽花に落ちてきよとんとする小鳥
素直な可愛い句ですね。
解説など不要ですが、いろいろ想像してみました。
小鳥って何だろう?もしや、巣立ち雛かな?
小鳥だから、メジロ、カワラヒワ、ツバメかもしれないなと。
紫陽花に落ちてきょとんと巣立ち雛 ってね(笑)。
作者の意に反して読者は勝手に想像してしまいます。
それが俳句のいい所かもしれませんが。
とにかく、私には到底手の負えない分野です。
句界も広いんですね。
鴇田氏の句には生き物や植物を歌った句が多いですね。
検索していたら、こんなのがありました。
紫陽花に落ちてきよとんとする小鳥
素直な可愛い句ですね。
解説など不要ですが、いろいろ想像してみました。
小鳥って何だろう?もしや、巣立ち雛かな?
小鳥だから、メジロ、カワラヒワ、ツバメかもしれないなと。
紫陽花に落ちてきょとんと巣立ち雛 ってね(笑)。
作者の意に反して読者は勝手に想像してしまいます。
それが俳句のいい所かもしれませんが。
とにかく、私には到底手の負えない分野です。
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Commented
by
yamaniwakotori at 2021-05-12 06:28
かけやんさま
以前いただいたお友達の句誌、あの後すぐ読ませてもらいました。お礼も言っていなかったです。ありがとうございました。
鴇田さんの紫陽花の句、かわいらしいですね。
リアルに想像するなら確かに巣立ち鳥が的確ですよね。
仲間に押されてアレーとおもって落ちたらフカフカの夢みたいな花の中だったという図?ホントに見たのか想像句なのか?
いつもありがとうございます。
以前いただいたお友達の句誌、あの後すぐ読ませてもらいました。お礼も言っていなかったです。ありがとうございました。
鴇田さんの紫陽花の句、かわいらしいですね。
リアルに想像するなら確かに巣立ち鳥が的確ですよね。
仲間に押されてアレーとおもって落ちたらフカフカの夢みたいな花の中だったという図?ホントに見たのか想像句なのか?
いつもありがとうございます。